映画そもそも日記

映画のそもそも〜ってなんだろう?をベースにした日記

ちはやふる 結び

青春の輝き 最近の中高生向きの恋愛物語とは違い、高校生という一瞬の輝きを切り取った爽やかな物語だ。恋も友情もあるけれど、基本は昔のスポ根ドラマの現代風といって良い。けなしているのではない。それどころか、大好きな作品だと断言できる。青春前期の…

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

ある夫婦の形を描く物語 この作品はモード・ルイスというカナダの女性画家とその夫の出会いからの半生を描いた作品です。 この映画においてモード・ルイスという画家は彼女とその夫との関係を通して夫婦の愛の普遍的な部分を描くための素材に過ぎません。彼…

ロープ 戦場の生命線

部外者の正義 明確な戦闘シーンなど一つもないのに殺伐とした緊張感がある。紛争地帯の日常が乾いた笑いとともに映し出され、たとえ殺し合いと隣り合わせでも、人が生きていくためのそれなりの日常があることを教えられる。けれど、それは我々の知っている日…

永遠のジャンゴ

ジプシー迫害の物語? この作品は音楽映画の性質は持っていても、たぶん、第二次大戦中を生きたジャンゴ・ラインハルトというジャズギタリストを通して描かれた、ジプシー迫害の物語です。 ”たぶん”と言うのはこの作品が描きたかったものがジャンゴという人…

人生はシネマティック(原題:Their Finest)

女性を通して描かれた自立の物語 (少々ネタバレ) 素晴らしい、よく錬られた作品です。けれど、邦題に惑わされる方が多いのかもしれません。ここは原題に注目です。 この作品をコメディであるとか、映画好きのための作品という人がいますが、私は少し違うと…

勝手にふるえてろ

新しい社会認識の写し鏡 この作品はコメディと紹介されていますが、そうではないでしょう。この作品は恐ろしい社会現象の写し鏡のようです。鑑賞後、悪い作品ではないし、それどころか非常に興味深い作品であると思いました。しかし、この作品を鑑賞した直後…

あけまして、おめでとうございます。

あけまして、おめでとうございます。 旧年中はだいぶサボっていしまいました。 興味に没頭するのも良いけれど、出力していないと 腕が鈍るみたいですね。 今年は並行して、このブログにもボチボチ書いていこうと思っています。 まずは年末に観た作品について…

火花

普遍的な共感 原作は芸人という特殊な世界への興味とそして現役の芸人が書いた純文学でさらには芥川賞を取ったということで注目を浴びたのでしょう。私は未読ですが、しかし、この作品がヒットした真の理由は映画を通して想像できるようです。それは最初に興…

ハローグッバイ

もう一つの映画らしさ 映画の魅力の一つを三浦つとむさんはたしか、その著書「芸術とはどういうものか」の中で、「経験したくてもできない経験をさせてくれる」ことだといっています。そういうとすぐに大災害や戦争など死に結び付く経験やヒーローが大活躍す…

Gifted

天才児教育の歪 果たして本当の意味においての天才と言うものが存在するのか?という問題はここではおいておいて、物心ついたときにはある分野に人並み外れた才能を示す人々が確かに存在するという事実を前提としてのお話です。ただし、英語におけるgiftとい…

ローガン・ラッキー

ラストベルトの人々で描く、痛快アメリカン こういうの久しぶりです。徹底的に娯楽です。でも、アメリカンコミックスやファンタジーではなく、しっかりと現実感との調和が取れた作品。待ってました!と声が掛かりそうです。「映画はこれでいいんだな・・・」…

そもそもを辿っておりました。

久しぶりです。 ほったらかしにしたのは5月ですから、もう7ヶ月になります。何をしていたかというと、映画のそもそもをもう一度辿っておりました。 簡単に言うと、ある本に感心したのと、憤慨したのが同時だったので、少し自分なりに突っ込んでみようと思…

3月のライオン 後編

後編のほうが解りやすい? 相変わらず、門外漢に将棋そのものの魅力は伝わらないが、プロ棋士の世界の厳しさや対局の激しさは前編より伝わってくるし、人間関係の描き方もジメジメ感が少なくなったように思える。内容的には前作に劣らずドロドロのはずなのに…

追憶

昭和の美 この作品は鑑賞者を選ぶだろう。物語もそこに登場する人物の描き方もそれほど深いものではなく、今観るとお涙頂戴と映るものかもしれない。だが、この作品はそのように読むよりも心情や背景を観て感じるほうが良いだろう。しかし、そうして観ること…

美女と野獣

エ!こんな感じ? 全世界で大ヒット!アニメ版は不朽の名作、というフレコミで封切られたのだが、実際に観てみると、「エ!これがその大評判の作品なの?」と思うくらいにつまらない。 キャラクターの描き方がまったく不充分であるのに、キャラクター各々に…

ゴースト・イン・ザ・シェル

古い 映像としてはもう古いのではないだろうか。原作を大切にしていることは解るが、アジアと日本の描き方がステロタイプ的な古いもので、欧米のファンには安心感はあるものの新しさやインパクトに欠け、アジアのファンにとってはかえって腹立たしく思えるも…

ハードコア

映像表現的完成度はA級だが、内容はC級 主人公の主観視点のみで物語をすすめる作品はこれまでも無かったわけではないらしいが、実験映画レベルではなく、娯楽作品として鑑賞に耐えるものを作り上げるのは相当に難しいだろう。この点に関して本作は非常にレベ…

ムーンライト

解らない!! 正直に言う。これは解らない。たぶん、解ってはいけない作品のように思う。黒人の肌の色を一番きれいに表現できる色彩を工夫したと言うのだが、これはいわゆるシアンを乗せて少し露出を多くしたような色味で、これを称して”ムーンライト”というの…

パッセンジャー

息苦しい 閉塞感と孤独を表現することが目的のはずだから、息苦しさを感じたなら作者にとって成功なのかもしれない。確かに、主人公たちが宇宙服を着て船外に出る場面は世界の縁を覗き込むような底の知れない恐怖と疎外感による孤独とを感じる。だから、そこ…

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話

明るく素直に面白い これはもう、本当にエンターテイメントとしてのレベルが高い。スポ根と漫画的ギャグをバランス良く組み合わせた脚本が素晴らしく、演出のテンポも良く、ベタベタしすぎず、軽くなりすぎず、出演者も泣いて笑って踊ってに若さをぶつけてい…

クリミナル 2人の記憶を持つ男

力作だが空回り ケビン・コスナーが一皮むけて、”異常”をマトモに演じている。二枚目が抜けきらなかったり、どこかひ弱な感じがない。ゲイリー・オールドマンとトミー・リー・ジョーンズも濃すぎず、バランスが取れている。ということでいい作品になりそうな…

素晴らしきかな、人生

確かな登場人物の心象設定 ニューヨークの広告代理店を率いて成功したハワードは娘を亡くし、人生を投げ出しているように見える。共同経営者の大親友や苦楽をともにしてきた仲間2人とも口すらきかない。ついに会社は業績を落とし、買収されるしか生き延びる…

La La Land

素晴らしい! ほんとに素晴らしい作品だなと思う。この監督、前作の「セッション」も素晴らしかったけど、ミュージカルがここまでできるとは驚きで、私のような古い映画ファンには涙モノ。何しろ、物語の前におもむろにスクリーンを区切るカーテンが開いて「…

虐殺器官

設定に疑問 私は伊藤計劃という名前を知らなかった。某映画評論サイトでの紹介文で初めて知った。時代を画するような才能を認められた作家が若くしてこの世を去っていたということ、そして彼の作品を原作とした映画作品が公開されるということに興味を持った…

ナイスガイズ!

ラストの皮肉に思わずニヤリ 息苦しく、不安な今に'70の懐かしい雰囲気、痛快なバディ・ムービーを楽しみたければオススメ。だけど、それだけじゃない。 この作品、いつ企画されたのだろうか?まさか、2016年中に企画の立ち上げから公開まで進めたのか?そん…

キセキ あの日のソビト

アイドル映画じゃない 松坂桃李と菅田将暉のダブル主演だから、若い女の子のファンが目当ての作品だと思ってしまう。実在する、異色の人気ボーカルグループの実話がベースの話だから、音楽満載の派手な作りと想像してしまう。 確かに冒頭のライブのシーンは…

ザ・コンサルタント

新しいスタイル ジェイソン・ボーンのファンなら絶対ハマる、本格サスペンス・アクションと言う触れ込みの作品。それに違わず結構良い出来。 本格的(に見える?)アクションと見事なサスペンスの融合。ラストに向かって張られた謎(伏線)が次々と見事に澱…

初詣

あけまして、おめでとうございます。 今年も初詣に行ってきました。 一昨年は「百円の恋」 去年は「マイ・ファニー・レディ」 そして今年は「海賊とよばれた男」 初詣は元気をもらえそうな作品を選ぶことにしています。 1年のスタートですから。 「海賊とよ…

君の名は

日本の映画界における今年一番の話題といえば、なんといっても新海誠監督の「君の名は」の大ヒットでしょう。あらゆるメディアで話題となっています。しかし、この作品の興行面でのヒットの要因という話題は多くても、表現、作品としてのまともな評価という…

近況 「来年はやったるぞー!」

ゴジラ以降、ずっと休止状態。 現実の生活でもまるで冬ごもり。 しかし、こもってただ寝ていたのではなく、非常に充実しています。 理由があります。 実は面白い本に出会ったのですね。 「出会った」と言うのは正確ではありせん。 この本、2004年ころ、すで…