映画そもそも日記

映画のそもそも〜ってなんだろう?をベースにした日記

映画論

映画とはどういうものか 2

2.始まりの結節点 旅の案内書 旅を始めるなら、地図が必要です。目的もなくさまようのも面白いのですが、「映画とはどういうものか」を知るという目的のある旅ですから、地図と案内書があればもっと良いでしょう。地図は言葉通りの地図とさらにその時代にど…

映画とはどういうものか

1.映画の姿 映画の変化 今、映画のありかたが、大きく変化しています。近年現れた、インターネットによる動画配信サービスが大人気です。2020年からの新型コロナウィルスによる世界的パンデミックにより、人々は劇場へ足を運ぶことが出来なくなり、映画界…

永遠のジャンゴ

ジプシー迫害の物語? この作品は音楽映画の性質は持っていても、たぶん、第二次大戦中を生きたジャンゴ・ラインハルトというジャズギタリストを通して描かれた、ジプシー迫害の物語です。 ”たぶん”と言うのはこの作品が描きたかったものがジャンゴという人…

君の名は

日本の映画界における今年一番の話題といえば、なんといっても新海誠監督の「君の名は」の大ヒットでしょう。あらゆるメディアで話題となっています。しかし、この作品の興行面でのヒットの要因という話題は多くても、表現、作品としてのまともな評価という…

あやしい彼女 2/2

日本版の中に出てくる曲で、前回お話したような俳句と似た表現が顕著なのは次の3曲だ。 「見上げてごらん夜の星を」 1963年(昭和38年)発売 坂本九 原曲は1960年に初演された同名ミュージカルの劇中主題歌。日本レコード大賞作曲賞受賞。 作詞:永六輔 作曲…

あやしい彼女  1/2

あやしい勘違い 楽しめるし、悪くない。倍賞美津子さんと多部未華子さんのつながりに難があるけれど、それでも白目をむいて茹で上がって見せる多部未華子さんはそれを乗り越える魅力がある。しかし、元は大ヒットした韓国映画のリメイクだから、オリジナルよ…

ガールズステップ

隠れた宝物 青春モノの定番といえば、昔はスポーツが軸となることが多かったが、今やダンス。年配者にとっては多少違和感があるものの、見れば納得。同じことだ。またメニューも同じ、友情と恋。昔とちょっと違うのはスクールカースト。それ何?この感覚だけ…

海街 diary(4/4)

アカデミー賞作品「バードマン」との比較 もちろん、是枝作品は表現の構造を説明するために撮られたものではないだろう。では、この撮影方法による効果を何のために使ったのかを似たような主観表現という、同様の手法を使った作品、「バードマン」と比較して…

海街 diary(3/4)

落ち着かない心と意識の集中とは? しかし、海街 dialyを観て画面がブレているとは思えないし、落ち着かないと言っても、非日常を意識しているわけではない。それでも意識は強く画面に惹きつけられているのだ。これは、検証してみたわけではなく、あくまで私…

海街 diary(2/4)

マッドマックス 怒りのデスロードがあまりにも面白くて、途中でいろいろ書くことになってしまったので、ようやくこちらに戻ってきた。すみません。 落ち着かない自分・惹きつけられる自分 映画は動く写真として生まれ、まだ、映画として成長する以前から現在…

マッドマックス 怒りのデスロード (3/3)

昔々、あるところに・・・ 2つめの系譜。マッドマックス2では物語はアクションに対して従の関係にあると言いました。何でもありのアクションを活かすために作られた核戦争後の荒廃した世界という設定。しかしそれが後の多くの表現に大きな影響を与えること…

マッドマックス 怒りのデスロード (2/3)

マッドマックスへ繋がる2つの系譜 カーチェイス いかなジョージ・ミラースタイルといえども、全く何もないところから生まれてきたわけではありません。この作品に繋がるポイントとなる作品をいくつかご紹介しておきましょう。 1つめの系譜。マッドマックス…

マッドマックス 怒りのデスロード (1/3)

映画スタイルの誕生 面白い!緊張感が途切れることなく、最後まで飽きさせない。シリーズ最高傑作の評判は嘘ではないですね。最高に楽しめる、これぞ映画!という作品です。 映画は動く写真として生まれたと言うのは弁証法の大家、三浦つとむさんの名言(著…

海街 diary(1/4)

邦画は解りにくい(ものもある) 正直に言えば、私は是枝作品を観たのはこれが初めてだ。だが、いっぺんで好きになった。食わず嫌いだったというわけではない。機会がなかった。ハリウッド作品などに比べ邦画はわかりにくい。欧米の鑑賞者の娯楽より作者の表…

バードマン

この作品、主演のマイケル・キートンの人生と重ねあわせて彼のための作品という側面が強いとの評価が一般的で、アカデミー賞もマイケル・キートンのためにこの作品が選ばれたのだという解釈が多い。確かに事情通にはそう見えるのだろうけれど、それだけのた…