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映画そもそも日記

映画のそもそも〜ってなんだろう?をベースにした日記

殿、利息でござる!

意義ある再現ドラマ 

 ぜひ、多くの人に観て欲しい。このようなことが実際にあったということは驚きであるし、これを涙と笑いで再現してくれる監督の腕前には感謝しよう。原作「無私の日本人」は未読であったから、早速注文したほどだ。 

 日本人は明治維新を見ても、本当に頭が良い人が多いと思う。他の国であればほとんどが反乱とか革命という流れになるのだろう。もちろん、明治維新においてもそれが主流の考え方であるし、だからこそ坂本龍馬の姿が鮮明に浮かび上がるのだが、市井の人々の中にもこのような視点を持った者がいたということ、それが宗教観の薄いものであることも世界的に見て特異な事ではないだろうか。あらためて日本人や無私ということを考える上で、非常に興味深い話であるし、書物ばかりではなく、これを映画化するということも今の日本人にとって意味の大きいことであると思う。 

 キャスティングを見ればこの作品の意図がよく分かる。それぞれの役者の既存イメージそのままの配役であり、映画的な挑戦や驚きはない。だが、この手堅さこそが狙いであり、定番のお涙頂戴も行き過ぎなければ許されるだろう。つまりこの作品は監督や役者たちの表現というよりも史実を解りやすく見せるための再現ドラマなのだ。この作品では誰も突出していない。原作「無私の日本人」にふさわしいものとなっている。